半世紀前の本です。
私がこの本と出会ったのは、小5の時。
担任の先生が、授業で時間が余ったときにみんなに読んでくれました。
「現在」という立ち位置からこの本を読めば、いろいろな意見、批評がなされてしまうのは仕方ありません。時代が変わったのですから。
しかし、「教育とは」という普遍的、言うなれば「不易流行」の「不易」の部分を追い求めようという教育に携わる者として、この本が伝えようとしていることを考えると、私はこの本はまだまだ色褪せていないと思っています。もちろん小学生時代の自分と照らし合わせてしまうという主観性あるいは精神性は否定できません。客観性あるいは物理性を拠り所としてなされる昨今の教育環境からだいぶお門違いだと言われることは覚悟の上です。
民間教育、塾を主戦場として教えることを生業としているとはいえ、受験に備えるための教える指導だけでは何か寂しさを感じるのは、教育に携わる者の持つ良心であって欲しいと私は勝手に思っているだけかもしれません。目の前の児童・生徒とどのような距離間で、どんな思い・期待を持って、彼らを信じ抜くか、そして自分がしていることを信じ抜けるか。その思いが砕けそうになったときに、この本は私にとっての清涼飲料水になっているのかもしれません。
ちなみに、私がこの本の登場人物の中で最も好きなのは主人公の小谷先生ではなく、その傍らで小谷先生を眺めている「教員ヤクザ」の足立先生。破天荒に見えて、実は教育の本質をついている、そして抗えない社会の仕組みと孤高に戦う姿勢は、殻を破りきれない私自身の弱さの代わりになってくれている。考え(思想)が偏っているだと馬鹿にされるかもしれませんが、こんな教師がいたっていいじゃないでしょうか。画一的な学校システムで、いわゆる「多様性」を訴えるのであれば、多様な考えの先生がいたって本来は許されるはず。結局、先生への評価は、周りの大人がするのではなく、目の前の児童・生徒なのです。そんなことも考えさせる一冊でもあると思います。
長々として、とりとめのない文章になってしまいました。
3月の連休最終日。そして、あとわずかな日数で春休み、そして新学年。
こんな話もいいのかなと思って書いてみました。
皆さんの人生を変えた1冊はありますか?