「なんでこの人は、謝らないの?」
「先生は“正しい”って言うけど、ほんとうにそうなのかな?」
子どもが発する問いは、時に大人を戸惑わせます。
それは、予定された学びの流れを乱すように見えるからです。
でも、その問いの中には、子ども自身の世界との出会いが宿っています。
教育とは、知識を渡すことだと思われがちです。
でも、読む力を育てる場では、もっと違う営みが必要になります。
それは、問いを育てること。
そして、その問いに、私たち自身も揺れながら応答すること。
ある保護者の方が、こんなふうに話してくれました。
「息子が“この話、なんか納得できない”って言ったとき、
私は“そういうもんだよ”って答えそうになったんです。
でも、そこで立ち止まって、“どこが納得できない?”って聞いてみたら、
彼の中にある価値観や感情が、少しずつ言葉になっていったんです。」
問いかけることは、答えを求めることではありません。
問いに耐えること。
問いの中で、共に揺れること。
それが、読む力を育てる教育の土壌になります。
読むことは、意味との対話です。
そして教育は、その対話を支える関係性です。
「わからない」「変だと思う」「納得できない」
そんな感覚を、安心して言葉にできる場。
それが、読む力の根を深く伸ばす場所になります。
私たち大人も、問いの中で揺れていい。
「どう答えればいいかわからない」
「自分も納得できていない」
そんな正直さが、子どもとの対話を豊かにします。
次回は、保護者自身が“読む人”として揺らぐことの意味について考えてみたいと思います。
違和感を怖がらず、問いを育てる存在として──そのまなざしを見つめてみましょう。
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